会長挨拶

ご挨拶

 このたび、第23回日本産婦人科乳腺医学会学術集会を平成29(2017)年3月5日(日)に東京 御茶ノ水にありますソラシティカンファレンスセンターで開催させていただくことになりました。伝統ある本学術集会を担当させていただくことをたいへん光栄に思っております。このような機会を与えていただきました学会員の先生方に心より御礼を申し上げるとともに、小さな医局ではありますが、精一杯有意義なものとするべく努力する所存です。

 近年、乳腺疾患の予防・治療・管理にはパラダイムシフトが起こっています。アンジェリーナ・ジョリーの予防的乳房切除術をきっかけに、改めて遺伝性乳がんが注目されると同時に、有名タレントなどの乳がん罹患とその闘病が大きくマスコミに取り上げられ、乳腺疾患への注目度が上がっています。従来、日本においては乳癌を含めた乳腺疾患は外科で扱うとされていました。私たち産婦人科医は分娩後の乳腺管理すら助産師さんまかせのところがあったように思います。近年の本学会の活動もあり、産婦人科医もかなり乳腺疾患に興味をもってくるようになりましたが、より積極的に乳腺管理をしなければいけないことは自明です。しかし、一方で、様々な新しい手技や情報に追いついていくことはなかなか難しいことでもあります。

 そこで今回のテーマを「産婦人科医も知っておきたい乳腺疾患診療のニュートレンド」として、この分野における最近の新たな知見を学んでみたいと思っております。日本人における乳がんの疫学の最新情報、BRCA遺伝子変異検査時におけるカウンセリングの実際、また、ホルモン補充療法施行時の乳がん検診の注意点、さらには乳房再建術の実際についてもご講演いただく予定です。日本産婦人科医会共催の研修セミナーでは改めて超音波診断についてそのコツや注意点などについて勉強してみたいと考えております。明日からの診療に直結するようなお話しが伺えると思います。

 女性のヘルスケアという観点から、産婦人科医にはライフステージに応じた乳房管理や乳がん検診の技術の習得、業務への従事が要求されていますが、この目的のために、本学会の苛原理事長を中心に、日本産科婦人科学会女性ヘルスケア委員会内の産婦人科における乳房管理のあり方に関する小委員会が現在、「産婦人科医のための乳房管理マニュアル(仮称)」を策定中です。そこで、本マニュアルの内容についてご紹介いただき、議論していただくワークショップも企画いたしました。

 もちろん例年どおり、一般演題も募集いたします。貴重な症例やデータを是非ご発表いただきたく思います。

 当日はまだまだ寒い時期かとは思いますが、多くの先生方のご参加とホットな討論を期待しております。宜しくお願いいたします。

第23回日本産婦人科乳腺医学会学術集会会長
髙松 潔
(東京歯科大学市川総合病院産婦人科 教授)
運営事務局

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